2008年7月22日火曜日

ACアダプタは規格化されないのかな

大学公開時の研究紹介などで,
パワーエレクトロニクス(パワエレ)を
知らない人(高校生とか)に,
身近なパワエレ機器として紹介するのが,
ノートパソコンのACアダプタである.
コンセントからパソコン本体につながる
あの黒い箱である.
紹介して初めて存在に気づくような人もいるけれど,
あの黒い箱がなければ,
ノートPCは動かない.

コンセントに供給されるのは,
日本では100V,50Hzの交流である.
これを適切な直流電圧(例えば19Vとか)に
変換するのが,ACアダプタの役割である.

あの黒い箱の中には,
変圧器や,コイルやコンデンサ,
そしてICなどの半導体部品が入っていて,
それぞれ直流を作るための動作を
行っている.

しかし,あのACアダプタ,
各メーカによって別々の規格となっていて,
共通に使うことができない.
同一メーカにおいても,製品によって
わざと異なるように作ってあって,
共有することは難しいのである.

似たような直流のピン端子ではあるけれど,
微妙に異なっていて,
差し込むことができないようになっている.

簡単に考えると,直流電圧の値(ボルト)と,
出力(ワット)の値さえ合っていれば,
使えそうなものなのに,それができなくなっている.

実は,供給される電力の品質や,
安全回路の有無,その他の設計上の問題があるため,
共通化はされていないらしい.
まちがって別のアダプタをつなぐことによって,
機器の損傷,焼損などの恐れがあるというのだ.

しかし,そんなのは,業界で共通規格を
決めればよいだけのことではないのかと思う.
これが共通化されたら,ユーザはずいぶんと
恩恵を受けるだろうに.

またメーカも小型のアダプタなどを売りだせば,
売上もあがるだろうに,と思う.

ノートPCのカタログに表示されている重さは,
だいたいが本体のみのものである.
実際には,ACアダプタも持ち歩くことが多い.
そして,これが結構重たくてかさばるのだ.

アダプタの規格が統一され,
小型アダプタで製品価値を高めた商品がでたら,
モバイルで仕事をする人は,
争って購入するだろうに.

熱くならないACアダプタというのも
また魅力的である.
(それだけ変換が高効率ということ)

業界でなんとか規格を統一してくれないでしょうか,
とお願いしたい.

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