今期ですべての回を観たドラマのひとつが,「うちの弁護士は手がかかる」である。主演は,ムロツヨシ。相手役は平手友梨奈。その他,芸達者な俳優のみなさんが脇を固めている。内容もそれほど重くなく,それでいて少し考えさせるような,家族のみんなで見ることができる内容だった。
まずムロツヨシがいい。もちろんこの人の演技力というのは,真面目からボケまでそれは間違いないし,「どうする家康」では,狂気に満ちた新しい豊臣秀吉役を見せてくれた。本作では途中病気で短期間離脱したこともあったようだけれど,心優しい気配りの人を演じている。これが身近に感じられて,ドラマの魅力の中心になっていた。
平手友梨奈は私が好きな俳優・歌手で,自分の世界観をもっている(彼女が出てくるだけで平手友梨奈ワールドが広がる)希少なタレントであると思っている(その他では,木村拓哉とか)。今回はちょっとデジャブ感をもつ「かわった」弁護士で,頭はかたいけれど,心優しい変人という役どころ。やはり彼女しか出せない雰囲気が良かった。
村川絵梨,酒向芳,戸田恵子,松尾諭という事務所の仲間のボケぶりも良くて,気楽に楽しむことができるドラマだった(江口のりこも変に善人にならなくてよかったし)。こうしたコメディはテレビドラマがどんどんやるべき分野だと思っていて,今回はその手本のようなドラマだった。ムロツヨシも大河ドラマの秀吉は怖すぎたので,今回くらいの役がいいなぁ,と思った。
ただ,あちらこちらに80年代~90年代のドラマのネタが散りばめられていたのだけれど,相当ドラマを見ていないと理解できないものばかりで,大丈夫?と思って見ていた。まぁ,私はだいぶわかった方だと思うけれど。